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直売所売り場にて思う

直売所に置いてある農産物は、実は地元産だけではありません。これは品物の偏りや品切れなどでお客様へご不便をおかけしないための対策だと思っています。
もちろん、値札の色を変えるなどして地元産とそうでないものは容易に区別できるようにしてあります。


という背景があるので、地元産とそうでない余所の産地産の同じ種類の野菜がどちらも並んでいるというのは、直売所ではしばしば見かける光景です。
先日も、他県産の産地の人参と地元産の人参の両方が並んで売られていました。


野菜を買っているだけだとよく分からないかもしれませんが、野菜の産地というのは実は、大きな努力をしているところがたくさんあります。レタスの産地、キャベツの産地、トマトの産地などなど..
どの品種がいいのか、もっといい栽培方法はないのかと試験したり、収穫のタイミング、収穫する大きさ、収穫した後の調製や梱包など、その産地が出荷する野菜について、様々な角度から多くの労力・コストをかけて研究や検討を行っています。
だから、スーパーや直売所で見かける大きな産地の野菜は形や大きさが揃っていて、概して綺麗で、いかにも商品・製品という印象を与えてくれます。


私が見た他県産地から仕入れた人参も、実際、見た目は大変綺麗なものでした。
一方、その隣に並んでいる地元産の人参。
産地のものに比べると、形は悪く、大きさも揃ってなく、色も白っぽくくすんでいます(理由は後述) しかも、他産地のものより若干、価格が高い。


しかし、しばらく時間をおいてまた売り場を見てみると、その見栄えが悪い地元産の人参の方がよく売れていたりします。この光景を見るたび、何とも言えない気持ちと新たな使命感に包まれます。
見栄えが悪く、価格も高い地元人参の方が多く買われている、支持されている、これは生産者ももっと頑張らないと..と。
頑張りの方向は色々あっていいと思います。もっと見栄えを良くしよう、味を一番の売りにしていく、栽培する品種を増やしてみる、あるいは、品物以外の方法で重要な事をお客様に伝える(これは他産地には容易にできない)


生産者は、売り場を見たときに、自分の品物が売れ残っているかどうかだけに興味を示すのではなく、もっと感度を高めて売り場を見ていかないといけないと私は常々感じています。


そんな訳で、Ohana Farmとして、今年、改めて、地元と密着している農家にしかやれないこと、地元農家だからできる事、そこを改めて取り組んでいきたいと考えています。



※人参の表面がくすんでいる理由
産地から出荷される人参は綺麗なオレンジ色をしています。地場産の人参は、白っぽく曇ったオレンジ色です。これは、品種の違いではありません。ましてや、産地の人参は着色されているとかそんな理由でもありません(実際に真顔で訊ねられたことがあります)
産地から出荷される人参は、表皮がむかれているからです。収穫後、機械で洗って人参について土を落としますがその洗浄の工程で、土と共に表皮も落ちてしまうからです。
一方、地元産の人参は手で洗うので表皮を落とすまで洗いません。表皮が残っているから、表面が乾いた時に白くくすんで見えてしまうのです。
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テーマ : 農業
ジャンル : 就職・お仕事

しらかば音楽祭 2011  ~震災について考えよう いま、私たちにできること~

今年も開催します! しらかば音楽祭! そして、今年もお手伝いする事になりました。

チャリティイベント しらかば音楽祭2011
 ~震災について考えよう いま、私たちにできること~

今回は、東日本大震災で被害を受けた方々を支援するボランティア活動への活動資金を得るためのイベントとなります。
会場利用料や会場の光熱費など必要最低限の費用以外は、全てこの支援金に使われます。
チャリティイベントのために、入場料の金額は設定しません。

■日時 2011年8月6日 土曜日

■場所 長野県南佐久郡佐久穂町 八千穂高原内 屋外ステージ

■入場料 金額を設定していません。みなさまのお気持ちでおいくらでも..

■参加ミュージシャン
  Tremolo Earth     Tremolo Earth公式サイト
  MIKA(Tremolo Earthボーカル)
  yO'ceans
  高田Asaph清
  コイケテツヤ       コイケテツヤ公式Blog「コイケテツヤノオモウコト」

今回は、Tremolo Earthが中心となって制作したチャリティアルバム “We” ~Songs of Hope~ にご出演なさっているミュージシャンが演奏します。このアルバムは8月3日配信開始だそうです。

音楽祭の内容や、チャリティアルバム “We” ~Songs of Hope~について、詳しくは下に示しましたfacebookのイベントページをご覧下さいね。
facebookイベントページ 「チャリティーイベント しらかば音楽祭2011」


次に会場となる、屋外ステージについてここでご紹介しましょう。

ステージは、標高1600mの高原のなかに、白樺林に囲まれて建っています。

白樺林に囲まれた野外ステージ

手前の草地が客席となります。観覧ご希望の方は、レジャーシートなどがあると便利です。


白樺林に囲まれた野外ステージ


客席は、石を使って緩やかな階段状になっています。


今回、大自然の中にいるのを楽しめるのは、観覧者だけではありません。


ステージからの眺めはこんな具合になります。

ステージから見た客席

いい感じでしょ? 出演者も楽しめちゃうんです!

昨年の出演者からは「こんな場所で歌うことはめったに無い!」と喜ばれちゃいました。


ステージの近くには、こんな散策路も作られています。


散策路


あたりはどこを見ても白樺、白樺、白樺...200万本の白樺林です。

白樺林


会場近くには、八千穂レイクなどの観光スポットもあります。

八千穂レイク

周辺の観光情報やお食事どころ、宿泊情報もとりまとめて、facebookイベントページに書き込んでおきました。

どうぞ facebookイベントページ しらかば音楽祭2011もご覧になってみてください。


ところで、昨日は出演されるミュージシャンの方々と初めて顔を合わせました。
チャリティアルバム “We” ~Songs of Hope~ の完成披露会の席にお邪魔したのですが、みなさん、大変パワーをお持ちの方ばかりで、圧倒されました。

今年も素晴らしい音楽祭になりそうです。

チャリティアルバム “We” ~Songs of Hope~
チャリティアルバム “We” ~Songs of Hope~ にご出演のミュージシャンの皆さん。
美咲さん、Tremolo Earthさん(MIKAさん)、コイケテツヤさん、高田Asaph清さん、yO’ceansの皆さん..


サイン入りCD
皆で寄せ書きしたサイン入りCD
Ohana Farmの文字が場違いな雰囲気を放つ!??


Ohana Farmの野菜やリンゴ、ラフランスは、うえまつ農産物直売所とアグリながぬまでお買い求め頂けます。
Ohana Farmの公式サイトもどうぞご覧下さい→地産地消をすすめる長野の農家 Ohana Farm公式サイト。長野市で野菜、リンゴ、洋梨を生産しています。

テーマ : LIVE、イベント
ジャンル : 音楽

地産地消・地産知消・地産地生

地産地消という言葉は、すっかり知られるところとなりました。


しかし、私はこの地産地消という言葉だけでは全てを表し切れていないと常々思ってきました。


その地で生産したものを、その地で消費する...真意は違うのでしょうが、字面としてはモノの流れだけにとらわれ過ぎているのではないかと。



そんな時に、新聞で「地産知消」の文字を見ました。

その地のものを知り尽くした上で消費する...

この知り尽くすというのは、その食べ物の地理的、歴史的、生産的な背景を知る という意味だと私は解釈しています。


自分が食べる食べ物について、そのあらゆる背景を理解した上で食すという、非常にインテリジェンスを伴った食べ方です。

動物は単に空腹を満たすために食べるだけです。何も考えません。こういったインテリジェンスを伴った食べ方は人間ならではの食べ方です。



さらに、このブログをご覧の方から「地産地生」という言葉はどうかとご提案頂きました。


その地の物を食べて、その地で生きていくという、非常に力強いメッセージが込められていると私は思います。

その土地への愛着や郷土愛、そして地域内のつながりを大切に生きていこうという思いがこの四文字から感じ取る事ができます。


私がこの3つの中で最も共感を覚えた言葉でもあります。


さて、みなさんはいかがでしょうか?


Ohana Farmの公式サイトもご覧下さい→地産地消を勧める長野市の農家 Ohana Farm公式サイト

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有機農業について考察

有機農業、有機栽培って言葉が巷にあふれています。結局、有機農業って何なの? って思っている人も多いはず。

そこで、今回は法律面から有機農業を考察してみました。

もし、私の法的解釈や理解に誤りがありましたら教えて頂ければ幸いです。


有機農業は法律面から大きく2つに分けられると私は受け止めています。

1:JAS法を根拠とした有機農業(いわゆるJAS有機)
2:有機農業の推進に関する法律を根拠とした有機農業(1以外のほとんどの有機農業がこちら)

1.JAS法を根拠とした有機農業

(特徴)
認証機関より、認証を受けた生産者のみが「有機」 「オーガニック」などの名前を表示して農産物を売る事ができる
認証に際して、継続的に認証機関の検査が必要なため、ルールが守られているか常に第三者の検証が入る。
違反者には罰則がある
微量要素など、ごく一部の化学肥料や、生物農薬などの農薬は使用が認められている
生産者と消費者の交流や提携、フードマイレージといった概念は盛り込まれていない

(悪意にとらえると)
有機といいながら、ごく一部とはいえ農薬や化学肥料の使用がみとめられている
例え外国産の農産物でも手続きさえ整っていれば有機を名乗れる



2.有機農業の推進に関する法律を根拠とした有機農業

(特徴)
生産物に「有機」 「オーガニック」などの名称を表示して販売する事はできない
化学肥料不使用、農薬不使用、非遺伝子組み換え作物の三点を守れば誰でもすぐに有機農業と名乗ることができる、第三者による検証は無い
罰則規定無し
いかなる場合でも、化学肥料や農薬の使用は認められない
生産者と消費者の交流や提携、環境への負荷低減といった概念が含まれている

(悪意にとらえると)
第三者の検証が無いので消費者は本当に有機栽培が守られているかは生産農家の言う事を信用するしかない
罰則が無いので、違反しても罰せられない
消費者との提携については概念としてはあるが具体的な基準は無い


と、有機農業については、この2つの大きな潮流があると考えて良いと思います。

1のJAS有機は、主に世界を取引相手にするグロ-バリズムからの流れ、2の有機は逆に国内や地域など内側からわき上がる流れ あるいは従前からの有機の思想..そんな感じでしょうか。


この2つの流れについて私の思うことは次の通り。

1のJAS有機には、提携やフードマイレージの概念が含まれていないのは大いに不満です。(この法律には有機のグローバル化の推進が根底にあるので、この2つを含めようが無い)
ただし、2の有機農業も、1で行われている生産行程の見える化、透明化の部分は大いに見習うべきです。暗黙の信頼関係だけでは、以前通った自称有機農産物乱立の道をまた辿る懸念があります。

従来よりある、提携やフードマイレージ(地産地消)といった概念に加えて、科学的根拠に基づく栽培、そして書面による栽培情報の透明化、この2つを加えたものが現代の有機農業だと私は思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?

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有機肥料のお話

有機肥料に、化学肥料、はてまた無肥料栽培...

このように肥料だけとってみても、農産物の生産がさまざまな肥料に関する言葉で修飾されています。


ところで有機肥料って何でしょうか?


化学の世界で有機物というのは、炭素を含む物質の総称です。


肥料の世界での有機は、少し意味が違っていて「有機物を原材料とし、製造に際し人が直接、化学的な処理を施していない肥料」位が、私は最も適当ではないかと思います。
これを定義1としましょう。

JASによる有機栽培では、化学的な処理が施されていない肥料が使用可能であることから、有機物、無機物の関係無しに、JAS有機栽培で使える肥料を有機肥料としようという考え方もあります。
これを定義2としましょう。


どちらの考え方も一見、立派に見えますが、実は抜け穴があります。


定義2のJAS有機栽培では、一部化学肥料の使用を認めています。
ただし、ごく一部が認められているだけであって、何でも使える訳ではありません。


具体的に何が認められているかというと、ミネラル分(微量要素)を補給するための肥料は、化学肥料の使用が認められています。
鉄、銅、亜鉛、ホウ素、マンガンなどは微量ですが、植物の生育にとって必要なものです。


本来こういったものを含む肥料も、化学的な処理が施されていないものが選ばれるべきです。
ところが、これらを含んだ肥料で人為的な化学処理を経ていないものはありません。
ですから、しょうがない、例外的に認めようということです。


これらミネラル分が不足すると、作物の生育が思うようにならなかったり、害虫が付きやすくなったり病気になりやすくなったりと、良い事はありません。
そこで、私の周囲の有機農家でも、こういった微量要素を含んだ化学肥料を必要に応じて使うところが増えてきました。
作物の健全な生育を保ち、高品質な農産物の生産を行うにはどうしてもミネラルは欠かせないのです。
これを読んで、例えあなたがおつきあいされている有機農家が同様な事をしていても、その行為を無条件に非難はしないでください。作物が必要な栄養素を過不足無く、きちんと与えるという植物本位の栽培なのですから。


少し、話は戻って定義1はどうでしょう?


実は、これも抜け穴があります。


菜種粕など、一部の肥料の原材料は人による化学的な処理が施されています。
菜種粕は、菜種油を絞った後のカスです。
ところが、油を絞る時に薬品を使います。菜種と薬品が直に接触します。これは人による直接的な化学処理です。


薬品を使わずに菜種油を絞ろうと思ったら、力をかけてぎゅっと絞る物理的な方法しかなく、これでは効率が悪いのです。


確かに、これは、肥料の原材料に対する化学的な処理ですが、肥料を作るための処理ではありません。油を絞るための処理です。
だから、肥料製造行程に関しては化学的な処理が行われていないということで、こうした化学処理された菜種粕そのものや、それを原材料にした肥料は有機肥料として一般的に認められています。
これ、屁理屈っていえばそうなんですが..


もちろん、こういった肥料をどんどん排除して作物を作っていくという考え方もありますが、お客様ときちんとコミュニケーションをして、伝えなければいけないことはきちんとお伝えし、質問にはきちんとお答えできるようにいつも勉強を怠らない農家となれるように私は目指しています。


余談ですが...

一般の方の中には、単に有機肥料を使った栽培が有機栽培であると認識しておられる方がまだいらっしゃいます。
意識の高い肥料店では、一般の方々のこういった誤解を防ぐために、有機肥料とは呼ばずに有機質肥料と呼んでいます。
有機質成分の肥料ですよという意味です。
今回、私は有機肥料と書きましたが、極力、有機質肥料という言葉を使うようにしています。

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プロフィール

農園管理人

Author:農園管理人
こんにちは、Ohana Farm (オハナ ファーム)です。

Ohana Farmは長野市にある家族だけで営んでいる農家です。野菜、お米、リンゴ、洋梨を栽培しています。
モットーは、地産地消。
このブログはOhana Farmが地元のお客様に向けて情報を発信していくブログです。

連絡先:
Tel 050-3671-4870(固定電話ですので畑に出ている間は出られません)
メールでのご連絡は、下にあるフォームをご利用下さい。

※Ohanaはハワイ語で「家族」を意味します。

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